私たちは「科学技術で人々の幸せと健康に貢献する」ことを
目的として、研究開発ならびに事業活動を行います
- Innovation by Protein Engineering -
研究支援製品
特許技術により開発された抗体結合タンパク質 Protein A-R28はヒト以外でマウスやラットといったこれまで精製が困難であった生物種のIgGに対して高いアフィニティーを有します。このような特徴を有する Protein A-R28を多点で高密度に固定化したゲル担体 Ab-Capcherを2008年に販売を開始しました。
Ab-Capcherは、従来のプロテインAゲルの限定された適応抗体種や結合量の低さを解決した画期的なアフィニティーゲル担体で、多くのユーザーから支持を得ています。さらなる高結合を達成した製品開発にも成功し、Ab-Capcher ExTra として、2011年に販売を開始しました。
また応用開発品として2013年に細胞への高い導入効率と低細胞毒性を達成した抗体トランスフェクション試薬「Ab-Carrier」の販売を開始しました。
2014年に抗体精製用磁気ビーズの販売を始めています。2015年には耐アルカリ型で高結合のProtein L-Agarose HC/MAGの事業化に成功しました。
2010年12月にアガロースゲル担体の世界的バルク供給メーカーであるスペインの Agarose Bead Technologies社と提携して、同社のヒスタグならびにGST融合タンパク質精製用アフィニティーゲル担体、タンパク質固定化用ゲル担体、ゲルろ過用ゲル担体の国内販売を開始しました。
同製品群は抗体精製用アフィニティーゲル担体 Ab-Capcher 関連製品と併せてタンパク質精製支援製品分野を広くカバーしています。
受託サービス
これまでのタンパク質の微量精製ならびに微量分析技術を応用して、糖鎖の高感度組成分析ならびにシアル酸分析法の開発を実施してきました。
その成果として、2010年から糖組成高感度解析サービスとシアル酸分析サービスを開始し、新たな糖解析分野へ進出しています。
抗体医薬用抗体結合タンパク質
創業時からのテーマである「産業上の有用な抗体結合タンパク質の開発」は、製品名「Protein A-R28」として事業化に成功しています。2009年には国内で、2013, 4年には欧州と米国で特許査定を受けています。Protein A-R28 は、2010年からゲル製造メーカーへ供給を開始しました。
Protein A-R28 はヒトやマウス・ラットのIgGに高い結合能を示すとともにアルカリ耐性が高いことから、抗体医薬製造において安価な水酸化ナトリウム洗浄が可能となり、急成長する抗体医薬の生産性向上に貢献しています。
2012年には、抗体結合タンパク質のさらなる高機能化に成功し、耐アルカリ高結合能型Protein A-R40を製品化しました。プロテインAのFc結合とは異なるカッパ軽鎖に結合するプロテインLのアルカリ安定性向上にも成功し、低分子化抗体製造に使用できるアルカリ耐久型 Protein L-T36 の開発に成功し、2015年から供給を開始しました。
2024年には従来の性能を凌ぐ 0.5 M 水酸化ナトリウム洗浄が可能な高アルカリ耐久型 Protein A-R50 の開発にも成功しています。弱酸性で溶出できることから抗体の凝集体抑制にも効果を発揮します。
製造では2024年に ISO 9001を認証取得、西村事業所の稼働により、品質管理と安定供給体制を構築しました。今後、抗体医薬製造の基盤を支える技術の開発・事業化ならびに高品質安定供給体制の構築を目指します。